ネタ切れは、過去の自分の動画から埋める——AIブレストで次の企画を出す
解説系のショートを続けると、撮影や編集より「次、何を話す?」で手が止まります。一般的なAIに「ネタを出して」と聞いても当たり障りない一般論しか返らないのは、自分のチャンネルを知らないから。過去の自分の動画・台本・コンセプトを文脈に渡してブレストすると、自分のこれまでに沿った企画の候補が出ます。決めるのは自分、という前提での使い方を書きます。
解説系のショートを何本か続けると、たいていの人がある壁にぶつかります。撮影でも編集でもなく、「次、何を話そう」で手が止まる。ネタ切れです。1本目・2本目は言いたいことがあるから勢いで出せる。でも週に何本も出していると、手持ちのネタはあっという間に尽きます。企画に、制作と同じくらい時間を取られるようになる。
この記事は、そのネタ切れの抜け方の話です。結論を先に言うと、ゼロから絞り出すのをやめて、過去の自分の動画を”種”にするのが現実的です。
一般的なAIに「ネタ出して」が、あまり効かない理由
ネタに詰まると、ChatGPTのような対話型AIに「解説系ショートのネタを10個出して」と聞きたくなります。やってみると分かりますが、返ってくるのはたいてい当たり障りのない一般論です。「初心者向けの基礎解説」「よくある失敗5選」「最新トレンドまとめ」——どれも間違ってはいないけれど、どこかで見たようなネタで、自分のチャンネルにそのまま使えるものは、たまに1個あるかどうか。
理由ははっきりしています。その汎用AIは、あなたのチャンネルを知らないからです。これまで何を話してきたか、どんなトーンでやっているか、視聴者は誰か。その文脈がないまま「ネタを出せ」と言われても、誰にでも当てはまる無難な案しか出しようがない。当てずっぽうになるのは、AIのせいというより、渡している情報が足りていないからです。
効くのは、「自分のこれまで」を文脈として渡すこと
ここを変えると、ブレストの質が変わります。過去に出した動画の文字起こし・台本・チャンネルのコンセプトを”ソース”として渡してから、次のネタを相談する。そうすると、自分がこれまで何を話し、どういう切り口でやってきたかを踏まえた案が返ってきます。一般論ではなく、「自分の続き」が出てくる感覚です。
たとえば「前に話したあのテーマ、別の角度でもう1本いけそう」「この回で反応が良かった論点を、初心者向けに噛み砕く」といった、自分の実績に紐づいた案。これは、過去の自分を知っているからこそ出せるものです。ゼロから捻り出すのと、自分の蓄積から広げるのとでは、出発点の重さがまるで違います。
DogaRun の「AIブレスト」
自分もこのネタ切れが一番の詰まりだったので、DogaRun に「AIブレスト」という企画の壁打ち機能を作りました。チャンネルのコンセプトや、過去の動画の文字起こし・台本をソースとして選び、AIと対話しながら次の企画のたたき台を作れます。

画面のボタンにあるとおり、「次のネタを3つ」「1秒フックを強く」「Before/After型で構成」といった切り口で相談できます。過去に自分が実際に喋った内容を踏まえるので、当てずっぽうではなく、自分の文脈に沿った候補が返ってくる。
ここも、はっきりさせておきます。画面にも書いてありますが、AIが出すのは下書きで、出力の正しさは保証されません。良し悪しを判断して、どれをやるか決めるのは自分です。企画を丸ごと任せる機械ではなく、ネタ切れの「最初の一歩」を軽くする壁打ち相手、という距離感がちょうどいい。
例:過去動画をソースに「次のネタを3つ」
イメージしやすいように、短い例で。たとえば過去に「AIで動画編集はどこまで来たか」「字幕を早く作るコツ」といった動画を出していて、その文字起こしをソースに選び、「この路線で次のネタを3つ」と相談したとします。返ってくるのは、こんな方向の候補です。
- 前回の「AIで動画編集」で触れなかった “まだ人が要る工程” だけを、1本に切り出す(過去回の深掘り)
- 反応がよかった「字幕の下地」の話を、“発信を始めたばかりの人” 向けに噛み砕き直す(角度替え)
- よく質問される「固有名詞の誤変換」を、直す前・直した後で見せる短尺(あるある実演)
どれも、汎用AIが出す「初心者向け解説」のような一般論ではなく、自分が実際に出した動画に紐づいた案になっているのがポイントです。もちろんこれは一例で、出てくる候補はソースに選んだ動画次第。そして出た案は、そのまま採用ではなく「これは膨らませられそう」と選ぶところから始めます。
ネタ切れの正体は「ゼロから絞り出す」こと
そもそもネタ切れがつらいのは、アイデアが完全に無いからというより、白紙から自力で捻り出すのがしんどいからです。候補が数個、目の前にあれば、話は変わります。「これは違う」「これは膨らませられそう」と、選ぶ・膨らますに切り替わる。ゼロから作るより、出てきたものを選んで直すほうがずっと軽い。これは字幕でも文案でも同じで、DogaRun 全体を貫く「作る、ではなく直す」という考え方が、企画にもそのまま当てはまります。候補を出すのはAI、決めるのは自分です。
ネタ元は、思いつきだけである必要もありません。公開後に維持率が落ちた地点で自分が何を喋っていたかを見直すと、「この論点は反応が薄かったから角度を変えよう」「ここは説明が足りなかったから1本立てよう」といった、次の企画の種が見つかります。見直し(直す)で得た気づきを、次の企画(伸ばす)につなげる。この一周が回り出すと、ネタ切れの頻度そのものが下がります。
まとめ
- 解説系を続けると、撮影・編集より「次、何を話す」で止まる。ネタ切れは続かない一番の理由になりやすい。
- 一般AIに「ネタ出して」が弱いのは、自分のチャンネルを知らないから。当たり障りない一般論になる。
- 過去の自分の動画・台本・コンセプトを文脈に渡してブレストすると、「自分の続き」に沿った候補が出る。候補はAI、決めるのは自分。
- ネタ元は、公開後の見直し(維持率×発話)からも拾える。直すと伸ばすはつながっている。
まずは、過去に出した動画の文字起こしをソースに選んで、「この路線で次のネタを3つ」と聞いてみてください。白紙に向かって捻り出すのと、3つの候補から選んで膨らますのとでは、次の1本を決めるまでの重さがまるで違います。