視聴維持が落ちた地点を、「その時の発話」と突き合わせて分析する

視聴維持率のカーブで「どこで落ちたか」は見えます。でも「何がダメだったか」を突き止めるには、落ちた地点で自分が何を喋っていたか=発話のタイミングと突き合わせる必要があります。維持の推移とその時の発話を同じ時間軸で見て、次にどこを直すか当たりをつける分析のやり方を、よくある離脱パターンつきで書きます。

視聴維持が落ちた地点を、「その時の発話」と突き合わせて分析する

動画を出したあと、視聴維持率のカーブを見ると、途中でガクッと落ちている箇所が分かります。「30秒あたりで落ちてるな」——ここまでは、数字を見れば誰でも分かる。難しいのはその先で、「じゃあ、何がダメだったのか」を突き止めるところです。ここが言葉にならないと、次の動画で何を直せばいいのか決まりません。

この記事は、その「落ち込みの分析」のやり方の話です。ポイントを先に言うと、維持の推移(どこで落ちたか)と、その時の発話(そこで何を喋っていたか)を突き合わせること。カーブだけ、あるいは台本だけを別々に見ていても、原因の当たりはつきにくい。2つを同じ時間軸に並べて初めて、「ここでこう喋っていたから離れたのかも」という仮説が立ちます。

カーブは「どこで」、発話は「何を」。揃えて初めて分析できる

維持率のカーブが教えてくれるのは、「どのあたりで人が離れたか」という位置です。一方で、直すために本当に要るのは「その位置で自分が何をしていたか」。この2つは別々の情報で、片方だけでは分析になりません。

もちろん、落ちた地点で何を喋っていたかは、動画を再生すれば確認できます。困るのはそこではなく、「数字の落ち込み」と「その時の発話」が別々の場所にあって、頭の中で突き合わせないといけないこと。カーブはStudio、発話は動画(や台本)、と分かれていると、分析が面倒で後回しになりがちです。逆に、推移とその時の発話が同じ時間軸に並んでいれば、落ち込みと発話をそのまま照らし合わせて、パターンを読み取れます。

落ち込みを分析する4ステップ

落ち込みを分析する4ステップ。①落ち込みの大きい地点を見る(上位2〜3点)②その時の発話・画面を確認する③よくある離脱パターンに当てはめて仮説を立てる④次の1本で1点だけ直す。③は仮説・手がかりであって原因の断定ではない

やることは、この4つだけです。

  1. 落ち込みの大きい地点を、上位2〜3点だけ見る。 全部を細かく分析しようとすると続きません。落ち込みとは、全体のなだらかな下降の中で「周りより急に下がっている段差」のこと。平均的な傾きより明らかに急な所を狙います(何%以上、と数字で決めなくていい。グラフの形で十分見分けられます)。
  2. その地点の発話(と画面)を突き合わせる。 そこで何を喋り、何を見せていたか。
  3. よくある離脱パターンに当てはめて、仮説を立てる。(次項)
  4. 次の1本で、その1点だけ直す。 一度に全部変えない。

大事な前提として、これは相関であって、原因の断定ではありません。「その発話のせいで落ちた」と決めつけない。人が離れる理由は一つではないし、たまたまのこともある。ここで得るのは「次に試す仮説」の当たりで、正解ではない。手がかりとして使う、くらいがちょうどいい距離感です。

よくある離脱パターン

発話と突き合わせると、落ち込みには型があることが見えてきます。当てはめると仮説が立てやすい。

  • 冒頭数秒で落ちる:最初のひとことが弱い。悪い例「どうも〜、今日はですね、えー…」/良い例「結論から言うと、◯◯は△△です」。得られるものを先に見せる。
  • 前置き・自己紹介が長い:「まずは軽く自己紹介させてください」で、本題に入る前に離れられている。名乗りは後回しにして本題から入る。
  • 話が急に逸れた/難しくなった:「ちょっと余談ですが」「専門的に言うと」で横道や専門用語に入り、置いていっている。
  • 間延び:同じ論点が長い、「えー」「あの」が増える、テンポが落ちた区間。
  • 「まとめると」で落ちる:「というわけで、まとめると」で結論に達したと判断され離脱(必ずしも悪くない)。

落ち込み地点の発話が「えー、その前に少し補足すると……」なら前置きが長いのかも、と当たりがつく。パターン名で呼べると、次の一手も具体的になります。

DogaRun での見方

維持の推移とその時の発話は、YouTube Studio と動画を行き来しても確認できますが、DogaRun では同じ画面で突き合わせられるようにしています。YouTube と連携すると、再生数・視聴維持・流入元をプロジェクトの隣で見られます。

DogaRunのアナリティクス画面。テスト機能のバッジがつき、登録チャンネルの視聴回数・総再生時間・平均視聴維持率・登録者の増減などが並んでいる

動画の行をクリックすると、その場で分析パネルが開きます。文字起こし済みのプロジェクトを動画に紐づけると、維持カーブに、その時点の実測発話が重なり、秒数単位で「どこで落ちて、その時に何を喋っていたか」を照らし合わせられます。落ち込みの大きい地点は自動でハイライトされます。

DogaRunの分析パネル。維持カーブに実測発話が重なり、下に秒数単位の「時刻・維持率・発話」一覧が並び、落ち込みの大きい地点がハイライトされている

さらに、その落ち込み地点の実測発話をもとに、「離脱ドクター」が振り返りのたたき台を出します。アップ済みの動画は編集し直せないので、これは”この動画を直す”ためではなく、次の1本に活かすためのもの。低下点ごとに、何がダメだったかの診断・次はこうするという案・言い回しのBefore→Afterを提示します——この記事で言う「推移×発話から、何がダメだったかを考える」を、AIに壁打ちさせる部分です。

DogaRunの離脱ドクター。落ち込み地点の実測発話をもとに、診断・直し方・言い回しのBefore→Afterと全体まとめを提示。AIの下書きで効果は保証せず、離脱の原因を断定しない旨が明記されている

はっきりさせておくことを3つ。YouTube連携は現在テスト運用中で、順次拡大しています(今は登録済みのテストユーザーから接続できる段階です)。AIが出すのは下書きで、効果を保証するものではありません。そして、これは推移と発話を並べて直し方の案を出すもので、離脱の原因を言い当てる(断定する)機能ではありません。どこを見直すかの当たりをつけて、直すかどうかを決めるのは自分です。

分析して終わり、にしない

立てた仮説は、次の台本に落とすまでが分析です。たとえば「冒頭の前置きが長い」と当たりをつけたら、次の台本は”名乗りを削って結論から始める”と1点だけ決める。この「次に直す1点」を出発点に、過去の自分の動画をソースにAIと次の企画を練るときも、「この回のこの地点で落ちた/逆にここは最後まで見られた」という手がかりを添えれば、次の企画が自分の実績に紐づいたものになります。

ちなみに、分析の土台になるのは台本ではなく実際に喋った内容(実測タイムスタンプ付きの文字起こし)です。本番では台本どおりに喋れていないのが普通なので、発話のタイミングは実測でないと数字と揃いません。

まとめ

  • 維持率カーブは「どこで落ちたか」しか教えてくれない。「何がダメだったか」は、その地点の発話(テキストのタイミング)と突き合わせて初めて仮説が立つ。
  • 手順は、落ち込み上位2〜3点 → 発話と突き合わせ → よくある離脱パターンに当てはめ → 次の1本で1点直す。相関・手がかりであって原因の断定ではない。
  • 推移と発話が同じ時間軸に並んでいると、この分析が回しやすい。

数字を「見て終わり」にしないコツは、数字の隣に自分の言葉(発話)を置くことです。まずは直近の1本で、いちばん落ちている地点の発話を確かめて、次の台本で直す1点を決めてみてください。

DogaRun

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