解説・語り系の「素材探し」がだるいのは、どこで何を喋ってるか探すから
解説や語り系のショートで、喋りに合わせてイメージ画像や映像を差し込むと、素材探しに時間が溶けます。理由は、台本ではなく「何秒から何秒で何を喋っているか」を基準に探すから。秒(タイムスタンプ)つきの文字起こしがあると、この工程がどう変わるかを書きます。
解説系や語り系のショートを作っていると、喋りに合わせてイメージ画像やイメージ映像を差し込む場面が出てきます。言葉だけだと画面が持たないので、話に合う絵を当てていく。これ自体は珍しくない作業ですが、素材探しが一番だるい工程だったりします。
面白いのは、素材探しがだるいのは「いい画像が見つからない」からだけではない、というところです。実際にやってみると、時間が溶ける原因はもっと手前にあります。
時間が溶ける正体は「どこで何を喋っているか」を探すこと
喋りに絵を当てるには、まず「どの区間で、何を喋っているか」を知らないといけません。「ここで“文字起こし”の話をしているから、ここにテキストの画像を出そう」というふうに、発話に合わせて素材を決めるからです。
ところが、この「どの区間で何を喋っているか」が、意外とすぐに出てこない。台本を見ればいいと思うかもしれませんが、撮影すると台本からズレるので、台本どおりの順番・言い回しになっていないことが多い。結局、動画を再生して聞き直して、「ここでこれを言ってるな」と確認してから素材を探す。素材そのものを探す時間より、この「場所の特定」に地味に時間を取られます。
そしてもうひとつ、尺を合わせたい。差し込む画像を、その言葉を喋っている区間にぴったり乗せたい。始まりと終わりの秒がわからないと、ここも手探りになります。
台本ではなく「実際に喋った内容と、その時刻」で探す
つまり、素材探しで本当に頼りになるのは、台本ではなく「実際に喋った内容」と「その時刻」なんですよね。
- どの区間(何秒から何秒)で、
- 何を喋っているか、
これが一覧で見えていれば、「この区間にこの素材」を判断するのが一気に速くなる。尺合わせも、始点と終点の秒がわかっているぶん迷いません。逆にこれがないと、毎回、再生して聞いて場所を特定して…を素材ごとに繰り返すことになります。
秒つきの文字起こしがあると、探し方が変わる
だから、秒(タイムスタンプ)つきの文字起こしが手元にあるかどうかで、この工程は大きく変わります。イメージとしては、こんな一覧が手元にある状態です。
0:12–0:15 ここで「文字起こし」の話をしている
0:15–0:19 次に「タイムスタンプ」の説明に入る
0:19–0:24 最後に素材探しの具体例へ
区間と発話がセットで並んでいれば、素材探しは「聞き直して場所を特定する」から「一覧を見て、この区間にこれ、と決める」に変わります。たとえば「0:19」からは編集画面のキャプチャ、と先に割り振っていく。あとは、その区間で何を探すかを決めるだけです。
絵を当てる区間を先に絞る
区間一覧を眺めると、素材を当てたい場所は限られているのが見えてきます。多くはこういう区間です。
- 話の切れ目・話題が変わるところ(視覚でも切り替わると分かりやすい)。
- 言葉だけだと伝わりにくい、固有名詞や具体物が出る区間。
- 単調で間が持たない、長めの区間。
一覧を見て「こことここに当てる」と先に決めてしまえば、探す素材の数そのものが減ります。素材探しがだるいのは候補を探し回る数の多さでもあるので、当てる区間を絞ることが、そのまま時短になります。
素材は「拾う」か「作る」か
区間ごとに「ここにはこの絵」と決まったら、あとは素材を用意します。手は大きく2つ。既成のものを拾う(ストック素材)か、自分で作る(AI生成)かです。
拾う(ストック素材サイト)
汎用的なイメージ映像・画像なら、ストックサイトが早いです。ショートは縦型(9:16)なので、縦向きで使えるか(または引きの画で上下を切っても成立するか)も見ておくと後がラクです。
- Pixabay … 登録不要・商用利用可・日本語検索対応。動画素材も多く、Bロール向けのクリップが揃う。
- 動画AC … 日本人モデルや国内の風景・オフィスなど”日本の素材”が探しやすい。無料登録が必要で、無料枠は1日のダウンロード数などに上限あり(商用OK・クレジット表記不要)。
ただし、ストックは「それっぽい汎用カット」はすぐ見つかる一方、話の内容にドンピシャの画は見つからないこともあります。そこは割り切って、汎用カットで間を持たせるのが現実的です。
作る(AIで生成する)
ストックに無い”その話専用の画”がほしいときは、AI生成という手もあります。2026年時点では、画像生成に加えて動画生成も個人が手を出せる価格帯に降りてきました。
- 動画なら、Google の Flow から Veo(テキストや画像から、音声つきの映像を生成)や Gemini Omni(テキスト・画像・音声・動画を混ぜて生成・編集できる any-to-any モデル)が使えます。
- 画像なら、各種の画像生成AIで「その区間の話に合う一枚」を作れます。
実際、生成はストックを拾うより時間もコストもかかりますし、毎回イメージ通りに一発で出るわけでもありません(生成物には SynthID のような電子透かしが入ることもあります)。なので、ストックで見つからない固有の絵だけを生成で埋める、くらいの使い分けが無理がないです。
DogaRun でやっていること
DogaRun の文字起こしには、音声から実測した秒(タイムスタンプ)が付いています。「何秒から何秒で、何を喋っているか」が区間ごとに並ぶので、素材を当てる場所を決めるときの土台になります。
そして、この区間割り(シーン分割)から、さきほどの「作る」も内側で完結できます。映像は Veo、画像は画像生成モデルを裏側で使っていて、シーンごとに「この区間用の画」を生成して素材に足せる。Flow など別のツールへ移らなくても、拾う(ストック)と作る(生成)を同じ画面で行き来できます。
生成にはクレジットを使いますし、「どの区間にどんな絵が合うか」を最終的に決めるのは人の仕事です。自動で完璧な素材が出てくるわけではありません。ただ、素材探しでいちばん重い「場所の特定」と「尺合わせ」が最初から片付いているぶん、あとは”どの絵を当てるか”を考えることに集中できます。
まとめ:素材探しの順番を変える
「いい画像を探す」より前に、「どこに何を当てるか」を先に片付けるのがコツです。順番はこうです。
- 秒つきの文字起こしを用意する(台本ではなく、実際に喋った内容ベースで)。
- 区間ごとの発話一覧を見て、「この区間にはこの絵」を先に割り振る。素材を探すのはそのあと。
- 割り振ってから探すと、始点・終点の秒がわかっているので、尺合わせで迷わない。
素材選び自体は人の仕事のままですが、その手前の「場所の特定」と「尺合わせ」を先に済ませておくと、素材探しは「動画を聞き直す繰り返し」から「一覧を見て割り振る」だけになります。