ショートのテロップ、1枚ずつ直してない? 見やすさは「動画ぜんぶの統一」で決まる

ショートのテロップが素人っぽく見えるのは、1枚の出来ではなく動画全体でバラついているから。入り切らないから縮めるのは悪手。文字数・サイズ・色・セーフエリアのルールを最初に1回決めて使い回す考え方を、具体的な目安とともに書きます。

ショートのテロップ、1枚ずつ直してない? 見やすさは「動画ぜんぶの統一」で決まる

恥ずかしい話からはじめます。昔つくったショート動画を見返すと、テロップがシーンごとにバラバラなんですよね。ここは大きい文字、次のカットでは小さい、色も置く位置もその場のノリで変えていて、動画全体を通すと妙に落ち着かない。当時は「一枚一枚はそんなに悪くない」くらいに思っていました。でも今見ると、素人っぽさの正体はこれだったな、と分かります。

テロップの見やすさは、1枚のテロップの出来よりも、動画ぜんぶで揃っているかで決まる。これが、何本も作ってやっと腹落ちしたことでした。

一番やりがちな悪手:入り切らないから文字を小さくする

具体的な失敗を1つ。喋りをそのまま載せようとすると、テロップの文字数はすぐ増えます。で、画面から溢れる。このとき「文字サイズを下げて無理やり1枚に収める」——これが一番やってはいけない手です。

なぜダメか。まず、その1枚だけ極端に小さくなって、動画の中でサイズがバラつく(=統一が崩れる)。そして単純に、小さい字がぎゅっと詰まって読みづらい。ショートは指でスクロールされながら一瞬で見られるので、詰まった小さい字は「読む前にスワイプ」されます。

正解は、縮めるのではなく区切ること。長い一文は、意味の切れ目で2枚・3枚に分けて順に出す。1枚に詰め込みたくなる誘惑を我慢する。面倒ですが、ここは手間をかけるべきところです。

見やすさの「ルール」を、動画の最初に1回だけ決める

区切るのを前提にしたうえで、次にやるべきは「動画を通したルールを最初に1回決めて、最後まで守る」。シーンごとにその都度いじるのをやめる、ということです。決めるのは主にこの4つです。

先に断っておくと、これから出す数字は”絶対の正解”ではありません。フォントや内容によって読みやすさは変わります。統一ルールをつくるための出発点、まず試す初期値くらいに受け取ってください。

1行の文字数と行数

テロップは、視聴者が一瞬で読み切れる量に収めるのが大前提です。人が一目で読める文字数には限りがあるので、長い一文をそのまま1枚に載せない。目安は 1行10文字前後・最大2行。これを超えたら文字を小さくするのではなく、意味の切れ目で区切って次のテロップに送ります。縦型は横長画面より幅が狭いぶん、1行は短めにするのがコツです。大事なのは、この「1行◯文字・2行まで」を動画の最初に決めて、最後まで動かさないことです。

文字サイズ

縦型(1080×1920)なら、本文テロップは 60〜75px、迷ったら65px あたりが出発点です(画面の高さの約3〜4%)。そのうえで 太字(ウェイト700以上)+縁取り、または背景帯。細い字は動く映像の上で消えます。太字とアウトラインで、背景が何色でも読める状態にしておく。サイズも一度決めたら全テロップで同じにします。

色

色も動画で統一します。基本は白+濃い縁取り、強調だけ1色(黄色など)に絞る、くらいがちょうどいい。シーンごとに色を変えたくなりますが、我慢したほうが締まって見えます。

置く位置(セーフエリア)

縦型特有の落とし穴がこれです。ショートは画面の右側にいいね・コメント・共有のアイコン列、下側にタイトルや音源のUIが重なります。ここに文字を置くと、編集画面では見えていても、投稿すると隠れて読めません。だから 主要なテロップは中央〜やや上の帯に、毎回同じ位置で固定する。安全域の正確な範囲は端末やUIのバージョンで変わるので、最後は必ず実機のショート再生画面で確認します。これで「隠れて読めない」と「位置がバラつく」を同時に潰せます。

この4つが揃っていると、特別に凝ったデザインをしなくても”ちゃんと作った動画”に見えます。逆に、一枚ずつは頑張っていても、サイズや位置がバラバラだと素人っぽく見えてしまう。派手さより、統一のほうが効きます。

でも、これを毎回手でやると面倒

……と、ここまで書いておいてなんですが、これ全部を動画のたびに手で徹底するの、めちゃくちゃ面倒です。1枚ごとにサイズを合わせ、色を合わせ、位置をセーフエリア内に揃え、長い文は区切って……。面倒だからこそ、昔の自分はサボってバラバラになったわけです。

つまり、編集で本当にやりたいのは、毎回フォントサイズや位置を調整することではありません。「この動画ではこのルール」と最初に決めてしまえば、あとは内容の区切り方や見せ方に集中できる。だから必要なのは「気合い」ではなくて、一度決めたルールを勝手に使い回してくれる仕組みのほうです。

DogaRun でやっていること

DogaRunでは、この「ルールを決めたら、あとは中身に集中できる」状態を作りやすくしています。

  • スタイルの使い回し:文字サイズ・色・縁取り・太字・背景帯を一度決めておくと、それが新しい字幕の既定デザインとして流用されます。テンプレートとして保存すれば、次の動画も同じルールから始められる。1枚ずつ設定し直さなくていい。
  • セーフエリアガイド:縦型プレビューに、ショートのUIが被る範囲(上部/右のアクション列/下部)の目安を破線で表示できます。これを見ながら置けば、「投稿したら隠れてた」を防げます(YouTube公式値ではなく概算の目安なので、最後は実機確認を推奨)。
  • 縮めずに区切る:文字起こしから字幕の下地をつくるとき(前の記事で書いた話です)、長い塊を1枚に押し込むのではなく、読みやすい単位に区切って並べます。「縮める」ではなく「区切る」を最初からやりやすくしています。

自動でつくる下地も完璧ではないので、最後は自分の目で整える前提です。それでも、毎回ゼロからサイズや位置を決め直すのをやめて、「決めたルールを当てて、区切って直すだけ」にできれば、動画をまたいでも見た目がブレなくなります。

まとめ

ショートのテロップで大事なのは、毎回うまくデザインすることではありません。「この動画では、この文字数・このサイズ・この色・この位置」と最初に決め、そのルールから外れないことです。

  • 入らなければ、縮めずに区切る。
  • 面倒な設定は、使い回す。

1行10文字・2行まで、本文65px前後・太字+縁取り、白+強調1色、位置は中央〜やや上で固定。まずはこの初期値から決めて、動画1本を通して動かさないことです。

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